■ピロリ菌とウレアーゼ



   ピロリ菌の研究は近年急激に進み何故強酸性の人間の胃の中
   に生存出来るのかという謎も今では解明されて来ています。
   そしていろいろな理由が明らかになって来ている訳ですが、
   最も判り易い原理としてはピロリ菌には「ウレアーゼ」と
   呼ばれる酵素を産生する能力があるからだというものでしょう。

   「ウレアーゼ」は1926年にアメリカの科学者、ジェームズ
   サムナーがたんぱく質として初めて結晶化する事に成功し、
   その主成分がたんぱく質である事が明らかになった酵素です。
   その後、活性中心にニッケルを含む酵素である事も判明。
   現在では完全な結晶構造も明らかになっている物質です。
   尚、ジェームスサムナーはこの酵素の結晶化の発見によって、
   1946年のノーベル化学賞を受賞しています。

   ピロリ菌はこの酵素で胃粘液中の尿素をアンモニアと二酸化
   炭素に分解し、生じたアンモニアで、局所的に胃酸を中和する
   事によって胃の中に住み着いているという訳です。そして、
   このピロリ菌の発見により動物の胃に適応して生息する細菌
   が存在することが明らかになったのです。

   しかし、胃の中に細菌が存在している事は、実際には100年
   以上も前の1800年代からその記録が記されています。その後
   も多くの科学者や医学者たちによって、様々な実験と研究が
   行われ、様々な報告がされて来ました。ただ、病気との関連
   がはっきりとしていないものが多く、胃酸のため強い酸性に
   なっている胃の中に細菌が生存するとは考えがたかったため、
   ピロリ菌の存在に関しては、常に賛否両論のまま100年以上
   もの年月が経過してしまったのです。


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